2010年くらいからデータサイエンティストという職業が生まれた話です。
2000年代くらいまでは、数学を使う仕事というと金融業界になりました。特に保険会社のアクチュアリーという職業(簡単にいうと保険料の計算をする職業です。)は理系でも特に数学が得意じゃないとできない仕事で、アクチュアリーの資格試験に合格することが難しいとされています。証券会社のクオンツアナリストという職業は資格はありませんが、金融工学を学ぶために高度な数学が必要です。他にもいろいろ金融業界には数学ができる人が求められています。
なぜ金融業界に数学ができる人の仕事があったかというと、金融業界はお金を扱っていて、数字のデータがたくさんあるからです。身近なところだと銀行の預金口座があります。いくらのお金を預けていて、お金の出し入れをやった記録が残っています。銀行以外でも保険でも証券でもデータがたくさんあるんです。
昔は数学を使う仕事というと金融業界しか仕事がなかったのですが、今は金融業界以外のいろんなところに仕事があります。なぜならいろんなところにデータがたくさんあるからです。
例えば電車に乗った駅と降りた駅の情報です。昔は切符も定期券も紙でできていて、それを改札口で人が目で見て確認していました。今は切符も定期券も機械で読み取っているので、データが残っていきます。
インターネットにもデータがたくさんあります。誰が何を見ていたのか、どんなページに人がたくさん集まっているのかなど、データがたくさん蓄積されています。
数字以外のデータ(例えば、動画、画像、音声のデータなどです。)もたくさん蓄積されています。自動車に取り付けたカメラで撮った動画やお店に設置してある監視カメラの動画など。インスタ以外のところにもいろんなところに写真のデータがあります。
いろんなところにデータがたくさんあるおかげで、データサイエンティストという職業が生まれました。データがあるところであれば、いろんなところに仕事があります。しかも今はインターネットによって世界が近くにつながっています。データを扱うスキルと英語ができさえすれば、日本だけでなく世界中に仕事があるのです。